インセクト初案件、始動っすね!
初案件はなんと、僕たちを描いてくれた大寺聡さんのご自宅のリノベーションです。
コスト含めて検討中ですが、現段階の案はこんな感じです。
大寺さんのアトリエ、「タイムトンネル」は有名っすね。
そうなんだ。鹿児島の建築設計の大先輩、アトリエ環さんの設計で、大寺さんの世界観にぴったりの名作だよね。
その後に続くのは責任重大だ。
どんなことを考えたんっすか?
大寺さんの世界観に加えて、「インセクト」としてのコンセプトを重ねたものを提案して欲しい、というリクエストだったんだけど、今回の計画で大きなウェイトを占める屋根を中心に考えてみたよ。
1つめは曲線の継承、「幾何学的な曲線から、有機的な曲線へ」だ。
タイムトンネルは楕円状の曲線が印象的だけど、それを、大寺さん特有の魅力的な有機的ラインを意識したものとして継承する。
2つめは「マッスからラインへ」。
一番最初の住宅が鉄筋コンクリート造で、マッシブ(量塊的)な印象が強かった。
この動かしがたいコンクリートの塊としての構造が、いろいろな問題を引き起こしていて、それに対応するのが今回のミッションでもあるんだけど、今回は、小さな部材を編み込んだようなラインによる構成を意識してみたよ。
ディテールに関しては、部材同士がピッタリくっついて、塊としての性格を持ってしまわないように注意することがポイントかと思ってます。
このラインの編み込みは、生命を中心とした有機的な世界観の表現でもあるんだ。
3つめは「閉じるから開くへ」。
これは、2つめとも関係があるけれども、コンクリートの重い閉じた印象を、木材とラインの軽い開かれた印象に変える、ということを考えました。
これは、環境に対して閉ざしていくのではなく、環境との接点を考えながら開いていくということでもある。
ようするに、屋根を環境との接点と捉えた上で、機能的・意匠的な可能性を探ろうと考えたんだ。あとは、限られた予算の中でできることを探りながらブラッシュアップしていく予定。
工事期間に限らず、継続的に自分たちで少しづつできることをやっていくようなことも考えているよ。
この屋根に「タイムトンネル」のような印象的な名前をつけたいと思っているけど、それはまだ思案中です。
まずは、最初の概算をお願いしますね。
了解っす!
こちらも責任重大っすね!