prototype-A循環特化型住宅CIRCULaTOR

概 要

それぞれのできる範囲で生活を変えることにチャレンジするための家。
住宅を周囲の自然環境・循環の中に位置づけることを目指しました。
意欲やスキルに応じた自主施工のサポートも想定しています。
広い敷地を想定し、循環を意識したタイプです。

敷地面積:未設定
床面積:49.69㎡(15.03坪) *主屋のみ

プランニング

広さは家族構成や生活スタイルに応じて変えられます。ここでは、屋外も生活の場にとりこめるため、室内は最小限の広さで想定しています。土地が広ければ、別棟で拡張してもよいかもしれません。

自主施工

生活スタイルやスキルに応じてできることは異なりますが、一部を自主施工することで愛着を増したりコストを抑えることができます。例えば、構造体と断熱、防水までをインセクトで施工し、残りはゆっくり自主施工するという手法も考えられます。

技術・アイテム

想定している自然と関わるための技術・アイテムの一部を紹介します。

ソーラーウォール冬に運用。日射を熱に変換し温風を室内に取り入れます。
冬季でも40度以上の温風を発生することができます
片面アルミリフレクター可動式で「日射取得」「遮熱」「歩行」の3タイプの使い方ができます。冬は日射を取り入れ、夏は遮蔽します。
太陽光発電パネル生活スタイルに合わせて能力を決定。パーツを組み合わせて自主施工にチャレンジも可能です。
換気棟風と煙突効果によって通風を促し、植栽などで冷やされた涼風を取り入れます。開閉は状況によって調整。空間のアクセントにもなります。
構造用合板室内側は構造用合板を現しとして施工を簡略化します。断熱材を後から付加しても良いです。
浄化水路と菜園汚水を処理するための水路。有機物を含んだ水を自然の中で循環させ活用します。
雨水貯水タンク雨樋からの雨水をためておき利用できるようにしておきます。
蓄熱槽日射の入る部分の床下にはペットボトルなどで蓄熱槽をつくり、温度変化を緩和します。
基礎基礎は可能な限り設置部分を小さくし、土壌への負荷とコストを低減します。
涼風ハッチハッチを上げることで、北側床下の涼風を取り入れることも可能です。

シミュレーション

▲(A)外壁:PF(フェノールフォーム) t=45、屋根:PF t=75、床:PF t=50、UA値:0.69の場合のエネルギー消費量と湿り空気線図
▲(B)外壁:PF t=45+HGW t=100、屋根:PF t=75+HGW t=150、床:PF t=90、UA値:0.49の場合のエネルギー消費量と湿り空気線図

(A)は構造用合板の外側にのみ断熱材を設置した場合、(B)は内側にグラスウールを付加し、床の断熱性能も高めた場合です。

空調の設定温度を暖房24℃、冷房26℃としてエネルギー消費量を計算していますがそれほど極端な差は出ませんでした。エアコンは4kW(10畳用)程度の設置で十分で、エアコン能力や生活スタイルによりますが、太陽光発電によってほぼ賄えるかと思います。

※断熱材については様々な選択肢がありますのでこれは一例です。例えば暮らしながら籾殻断熱などを付加していっても良いかも知れません。