第1話「インセクト発進!!!」

こんちゃー!
ちょっと近くに来たので寄ってみましたー!

こんにちは。いつもお世話になってます。

新しい事務所、いいっすね。ところで、ちょっと話があるんですが。これまでオノンさんといろいろな建物をつくってきたけど、そろそろいっしょに何か新しいことやってみないっすか?

新しいこと・・・。

それなら、ちょうど考えてることがあってですね。そのためには、フットワークが軽くて、技術的にも信頼できる施工屋さんの存在が欠かせないと思っていたところなんですよ。

ニキさんならこれ以上ないですね。

おっ、光栄っす。
考えていることって何すか?

簡単に説明するのは難しいのですが・・・

じつは、ここ数年、環境をテーマにいろいろと研究をしててですね。

あー、それで事務所を移転したんっすね。

環境というと、断熱とか最近はやっているSDGsとかっすかね。

そうですね。もちろん、それらも大事なんですが、それより前に大切なことがあるとだんだん思うようになってきたんですよ。

それを建築で実現したい。それもワクワクするような建築を実現したいと思っていて。

一緒にやりませんか?

うーん、ピンと来てないっすけど、面白そうなんでやりましょう!
それなら、なんか、チーム名が欲しいっすね。

じつは、それはもう考えてるんですよ。

「インセクト」っていうのはどうでしょうか。

インセクトって昆虫っすか?
まー、俺たちムシっすから、それでいきますかね!

よし、決まり!それじゃあ、僕たちのチーム「インセクト」発進だ!!!!

最初は、「解説」や「脚注」は読み飛ばしてもよいかと思います。
関心のある方は読んでみてください。

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オノンのモデルである私(オノンほど流暢には話せませんが・・・)は、鹿児島市小松原のまちなかに職住一体・都市型SOHOの最小限モデルケースとして住居兼事務所を構えていました。

平坦部が少なく、収入に対して土地の価格が高い鹿児島市の都市部においても、小さく工夫することで家をつくることはできる、ということを示したかったのです。

そんな中、数年前から思うところがあり、「環境」についていろいろ考えているうちに、これは生活スタイルを一度変えてみないと何も分からないぞ、と思うようになりました。

そこで、新しい拠点になりそうな場所を探し始めたところ、小松原から30分弱でいける日置市の山あいに中古住宅を見つけ、そこにメインの事務所を移転することにしたのです。

そこは自然豊かな景観が残る集落で、まさしく一目惚れでした。

そんな場所が、都市部からの通勤圏(一般的な通勤とは方向が逆ですね)にあることに驚きつつ、こういう生活もこれからのモデルになるのではと思うようになりました。

そんな折、いつも仕事をしている二之宮さん(ニキのモデル)から、何かしませんか、と問いかけがあり、思い切って新しいことを始めることにしたのです。

私は、価値観は人それぞれであり、依頼主の価値観を膨らませて最大限実現することが設計者の役割だと考えているので、人に自分の価値観を押し付けようとは思いません。

「環境」というテーマにしても、それに対する価値観は人それぞれです。
オノケンに依頼してくださる方の価値観もさまざまで、依頼主が「環境」についてどのような価値観をもっているかにも幅があります

オノケンとしては、都市部における生活を一つのテーマとしてることもあるので、「環境」というテーマに関して窓口を分けた方がスタンスが明確になるのでは、と考えたのも、「インセクト」を立ち上げた理由の一つです。

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