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第25話「インセクト解散!」

ちょっとちょっとー。
インセクトのホームページをみたら、中身がいろいろ消えてたわよ。事務所のホームページもつながらないわ。

なんかおかしくなってるんじゃないの?

あーーそれは・・・
インセクトはいったん解散しようかと思ってね。
余計なページは削除したんだよ。
(ホームページは個人ページとしてここに移したよ。)

解散って、まだ何も成果をあげてないじゃないの!

だからだよ。

いろいろ書いてはみたんだけど、人に届いている気がしなかったし、なんというか、このことって仕事にするにはまだ早かったんじゃないかと思うようになってね。

うーん、どういうこと?
あんまり納得いかないんだけど。

ここで考えてきたことと、それを業務としてやることには、まだまだギャップがあるというか、まだまだ実力やらなんやらが足りてない気がしてね。

というか、建築って身近な生活のいろいろなことが行き着く先のもの、という気がするんだけど、行き着く先の建築をいきなり変えようってしてもなかなかうまくいかないんじゃないか。順番が何か間違ってるんじゃないかって思うようになってね。

いや、本当は建築が変わることで身近な生活が変わる、ってこともあると思っている。

だけど、その実例がないとその建築の持つ力を知ってもらえない。知ってもらえなければ実例ができない。そのジレンマを抜け出すにはいろいろまだ足りないような気がするんだ。

ふーん。
言い訳してないではっきり言いなさいよ。
あなたの気合と営業センスが足りないだけなんでしょ。こういうことをちゃんと仕事にしている人だっていっぱいいるんだから。

ぐぬぬ・・・

まったくその通りなんだけど、ここで考えてきたことを仕事にすることがどういうことかよく分からなくなってね。

それに、もう一つの仕事として参加し始めた建築系ソフト関連の開発の仕事が忙しくなりすぎて、仕事としていろいろやるのは難しいんじゃないか、という気もしてね。

あら、それはそれでいいことじゃない。

それで定収入ができるのなら、私は文句はないけど、あなたはそれでいいの。

ずっと、何十年も理想の建築を求めてきたんじゃなかったの。
それがなくなっちゃうのは寂しい気がするわ。

それはそうなんだけど、ちょっと自由になれそうな気もしてるんだ。

理想の建築を追い求めて来たと言っても、それでバリバリ稼いでやろうと思ってたわけじゃない。ただ、学生の頃に「こんな建築はなんかおかしい」「もっと素晴らしい建築というものがどこかにあるはずだ」と感じた自分にケジメをつけたいってだけだったんだよ。

もちろん、それを仕事にして多くの人に届けたい、それで喜んでくれる人がいればそれほど幸せなことはないと思うし、それができている人は凄いと思うけど、それよりも過去の自分にケジメをつけたいというのが何より強い動機なんだよ。

そういう意味では、このサイトで書いてきたような探究の末、これまで30年間考え続けてきたことの先のイメージ、「もっと素晴らしい建築」のイメージがはっきりと目に浮かぶようになってきた。

これはきっと生活を変えてみなければ見えなかった景色だと思うし、逆にそれを見つけたがために仕事としての関わり方を見失ったとも言える。だけど、それは僕の人生にとって大きな成果なんだ。

それがまだ実現していないのは辛いけど、それは何も仕事として実現するしかないわけじゃない。

一旦距離をとることで実現できることがあるかもしれないし、そこから道が開けるかもしれない。それも一つの道なんじゃないかな、って気がするよ。

まだすこし無理をしてるように見えるけど・・・

諦めたわけじゃなければそれもいいんじゃない。
諦めなければなるようになるわよ。

ありがとう。

でもね、これまで理想がなかなか実現できないことに悶々としていたんだけど、逆にそこから解放されて自由になれる気がするっていうのは本当だよ。

どうなるかはまだ分からないけど、自分なりの道をみつけてしつこく喰らいついていくつもりだ。

このサイトもとりあえずはビジネス抜きでもっと気楽に好きなように書いていけるしね。

分かったわ。

定収入さえあれば大丈夫。応援するわ。

あなた、ダンテさんにはお世話になってるんだから、そのこと早く伝えなさいね。

うん。

今度報告に行ってくるよ。

後で書く

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