第8話「なぜインセクト?」

こんにちは。頼まれていたサンプルを持ってきたわ。

ありがとう。いつも助かります。

ついで、といったら何だけど、ちょっとお聞きしていいかしら。
前から思っていたんだけど、なぜチーム名は「インセクト」なの?

それは、僕たちがムシ人間だから、っていうのもあるけど、僕は昔から昆虫が好きでね。
子どもの頃の夢は昆虫博士になって、昆虫ハウスに住むことだったんだ。
今は、「昆虫ハウス」の「昆虫」が消えて、「ハウス」に関する仕事をしているけどね。

あらそう。
そういう理由だったのね。

本当は、それだけじゃないけれどね。

昆虫の多様性は驚くべきもので、地球上の動植物の種のうち、50%~80%以上は昆虫だと言われているんだ。

それらは素晴らしく環境に適応していて、地球上の循環に重要な役割を果たしている

そして、その骨格は強く、美しい。まさしく、いま考えていることにぴったりだったんだ。

また、僕が使っている環境シミュレーション・プラグインのキャラクターがLadybug(テントウムシ),Honeybee(ミツバチ),Butterfly(チョウ),Dragonfly(トンボ)とすべて昆虫だったというのも関係あるかな。

あと、これは内緒なんだけど、僕たちのキャラクターを描いてくれた、マティックさん(*1)が、「虫自慢が多極分散型社会を作る」と言っていたのを思い出してね。
これが「インセクト」でいこうと思った決め手になったんだ。

そうなのね。
それで私たちが生まれたのだから、良かったのかも知れないわね。(beetleはないのかしら。セムーったら少しかわいそう。)

あっ、今気づいたけどつづりは「insect」なのね。「insects」じゃなくてもいいのかしら。

そこは迷ったところなんだ。

「インセクツ」だと読みにくいし意味が伝わりにくいと思って、「insect」「インセクト」に統一したんだよ。
(ただお話の中での僕ら5人のチーム名は「insects」なんだ。5人のムシ人間のチームだからね。ややこしくてごめん・・・)

また、アリは「生態系工学技術生物」(*2)とも言われていて、生態系の中での役割が人間に似ていたりもするよ。

「インセクト」のコンセプトは、「インセクトについて」のページにも書いたから見てみてください。

何か新しいことをはじめよう

そう思ってから、どんな名前がいいのかぼんやりと考えていたのですが、運転中に突然「インセクト」という言葉が浮かんできました。

ムシに対する未練があったのか、2018年に霧島アートの森で開催された大寺さんの個展やWEB記事で目にした「虫自慢が多極分散型社会を作る」という言葉がずっと頭に残っていて、それと今回のコンセプトが一気に結びついたのです。

その瞬間から、イラストは大寺さんに依頼しようと心が決まり、インセクトのキャラクターが生まれることになりました。

えっ、ムシは苦手ですか?

大丈夫です。インセクトはあくまで環境をテーマにしたコンセプトをもとに決めたもので、ムシとの同居をオススメするつもりはありません。

それに、私も好きなのは足が6本までで、それより足が多いムシは苦手なのです。

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